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24MオーバーのADSL


この項目、近々大幅に書き換える予定です。

各社から24M(26M)のADSLが発表されました。(今後、いちいち24M(26M)と書くのは面倒なので、まとめて「24Mオーバー」 と記載します)

このページでは、24MオーバーADSLとは何か、について解説したいと思います。


24MオーバーのADSLとは(ADSL+/Annex I)
24MオーバーのADSLとは、2003年1月のITU-T総会で合意が取れたADSL+(G.992.5/G.adslplus)とAnnex I(G.992.1 Annex I)規格 という、最大24M/26Mを実現する技術を導入したADSLです。
なお、「ADSL+」(G.adslplus)はeAccess 12Mの「ADSLプラス」とはまったく別物ですので、混同しない ように(笑)。

ADSL+はAnnex Aの高速化(ISDN対策なし)、Annex IはAnnex C( ISDN対策あり)の高速化という位置付けです。

ADSL+/Annex Iどちらも、高速化の基本的な内容は同じです。

  1. 利用周波数帯域を2.2MHzまで拡張することで、ADSLの高速化を図る。
    どうして利用周波数帯域を広げると高速化できるか、については、ADSLの基礎の基礎をご参照ください。
  2. s=1/3、s=1/4をサポートすることによって、エラー訂正フレームの最大レートを向上する。s=1/3で24Mbpsまで、 s=1/4で32Mbpsまで拡大可能。
    詳しくはs=1/2の項目をご参照ください。

どうして24M/26Mなのか
上の「1.」にあるとおり、2.2MHzまで使用することによって理論上は27Mbpsまで速度を向上することが可能です。しかし、 今回発表になった各社のサービスは、24/26Mbpsとなっています。それがなぜかというと、

本当に速くなるの?
ADSL+/Annex Iとも、高い周波数を使うことで高速化を実現していますので、高周波が届く近距離でないと速度の上乗せは期待 できません。これについては、下の2社が12Mなどとの比較を出してくれています。

CentilliumのNTT西とGlobespanVirataのYBBが両方とも「2km以内では効果あり」という結果になっていますので、他社もほぼ 同様の結果になると思われます。したがって、 24/26Mを入れて速度が向上するのは、線路長2km+αまで。それ以上遠距離では12Mサービスとほぼ同等 というのが現時点での結論です。eAccessやフレッツがオーバーラップを入れてきていれば話は別でしたが、どうも入らない ようなのでこの結論はまず間違いないと思います。
ただし、ACCAに関しては、トレリス符号化を採用することで中長距離でも12Mより速度を上乗せしている、と発表して います(注4)

また、すでに12M ADSLを使っている方で、モデムのキャリアチャートを見ることができる方は、ADSL+/Annex Iの技術を 入れて高速化できるかどうかある程度判断する方法があります。キャリアチャートが一番端の1.1MHzのところまで伸びていれば それ以上の周波数帯域も多少なりとも使えるので高速化可能、そうでなければADSL+/Annex Iは入れても無意味ということです。

「どうせ24Mなんて出ない。ほとんどの人が12Mと速度が変わらないのに、『24M』とか『26M』とか標榜するのは詐欺だ」という 意見もあるでしょうが、 線路長2km以内の人口カバー率は意外と高くて60%以上あるので、全く無意味とも言い切れないのではないかと思います。 (注5)(注6)

24MオーバーADSLの各社比較
これまでの発表を見ている限り、使用している技術は各社とも12Mと同様のようです。つまり、ACCAとYahoo!BBは エコーキャンセラ・オーバーラップ入り、eAccessとフレッツについてはどちらもなしという状況のようなので、各社の 速度比較技術比較は12Mとほぼ同じになると考えられます。
したがって、おそらくは最高速度の「26M」と「24M」の表示のとおりに、ACCA>YBB>フレッツ≧eAccessという関係が維持される ものと予測されます。

ついでなので、各社が発表した24MオーバーADSLの距離と速度のグラフを、たて軸と横軸のスケールを合わせた形でまとめて掲載 してみます。

24MオーバーのADSLの問題点
1.1MHzを超えるということは、アマチュア無線帯の問題もさることながら、日本国内の場合

などなど、出力の大きい民放ラジオ局が目白押しの周波数帯を使うということであり、この辺の干渉も気になる ところです。


注1
個人的には、どう考えても平行度の高い電話線内を走っているADSL信号がアマチュア無線に影響を与えるとも思えず、逆に アマチュア無線の方がADSL信号に与える影響の方が大きいのではないかと思います。また、1.8〜2.0MHz帯は長大(半波長でも80m くらい)なアンテナが必要になるため、日本国内、特に都市部ではよほどの金持ち以外は事実上利用不可能でしょう。逆に80mなんて アンテナを張れるようなどイナカでは、ノイズが影響するほどADSLの利用者がいないのではないでしょうか。
さらに、1.8MHz帯は基本的に電信(モールス信号)専用で、なおかつ第3級アマチュア無線技師以上の資格が必要であり、 アマチュア無線技師のうち9割を占めるといわれる第4級(「電話級」という旧称の方がなんかしっくり来るのは、管理人が じじいのせいでしょうか)では使えないため、日本全国で下手をすると百人単位の利用者しかいないんじゃないでしょうか。 そういう人たちを保護するためにADSLがそこまで気を使う必要はあるのかなあ、という点に疑問は感じます。まあでも、 1.8MHz以上が問題になるような近距離の人数もADSL利用者の1割とかだろうし、いいのかな。
注2
詳しくは、例えばeAccessの 技術開示情報あたりを見ると出ています。
注3
したがって、Centilliumが発表している「下り50MのADSL」 というのもちょっと眉唾です。これは、周波数をさらに伸ばして3.75MHzまで使う(クワッドスペクトラム) (注3−1)ことによって下り50Mを実現するというものですが、理論上すべてのトーンに15ビットフルに乗せても
 15ビット×4000ボー×(223+256+256+115トーン)=51,000,000bps≒48.6Mbps


というのが精一杯の下り速度です。
「ハイビットローディング」として、1トーンあたりに乗せるビット数を15ビット以上に増やす技術も発表されていますが、 ダブルスペクトラムでも15ビットフルに乗せるのに苦労しているのに、さらに1トーンあたりの出力が制限されるクアッド スペクトラムで各トーン17ビット乗せられるのかどうか、さらなる発表を待ちたいと思います。
さらに、24/26Mと同様のアマチュア無線対策を行うと46Mbpsくらいで頭打ちになる可能性が強いので、せいぜい40Mいくか どうかというところでしょう。局内のDSLAMから数十センチとかの非常識な環境ではない、現実のユーザ宅でありうる線路長 だと最大30M台かもしれません。
Centilliumが50Mと言っているのにeAccessは「 秋に30M超」と発表しているのは、その辺を見越してのことと思われます。
なお、こんな高周波が届く距離はさらに短くなりますので、効果があるのはそれこそ線路長1km以内とかですね。
注3−1
クワッドスペクトラム:クワッド=4なので4.4MHzまでになりそうなものですが、 3.75MHz以上はVDSL(G.993.1)が上りで使う帯域なのでそれ以下にとどめることになっているようです。
注4
ACCAが12Mでどうやらトレリスを導入したらしいのに正式には「12Mでトレリス導入」と発表していないのは、この辺との 絡みがあるのかもしれません。
注5
このグラフの元記事のページはこちら
注6
これまで、各社でこれだけ大きな差があったサービスが同じ「12M」と呼ばれていたわけで、 「24M」と「26M」ということで品質の差が明確になったことは選ぶ側からすると喜ばしいことなのかもしれません。


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